2010 8月 10

エージェントレス監視とは、監視対象にエージェント(プログラム)のインストールが不要な監視方式だ。
Nagiosで言えば、Nagios Pluginsがエージェントに相当する。
従来は、監視システムといえば、監視対象にエージェント(プログラム)をインストールするエージェント方式が一般的だったが、最近エージェントレス方式の監視システムが注目を集めている。
 



 

2つのエージェントレス方式

エージェントレスを謳っている監視システムの中にも実は2つの方式があるのをご存知だろうか?
 

1.SNMPを利用したエージェントレス方式
  主にネットワーク機器などではSNMPエージェントが入っていないものは皆無といっていい状況である。
  このことから、『(SNMPエージェント以外の)エージェントのインストールが不要』という意味での
  エージェントレスを謳っている。
  つまり、あらかじめ監視対象にインストールされているSNMPエージェントを利用して、SNMPで監視
  情報を収集するのだ。
  しかし、サーバにおいては、SNMPエージェントをインストールせずに構築している場合も多々あるだろう。
  そのようなサーバを新たに監視するような場合、やはりSNMPエージェントのインストールが必要となる。

2.TelnetやSSHなどを使用したエージェントレス方式
  TelnetやSSHなどを使用したエージェントレス方式では、監視システムから監視対象にTelnetやSSHで
  リモートログインする。
  そして、OSに標準インストールされているコマンドを使用して監視情報を収集する。
  そのため、Solarisの実メモリ使用率の監視など、OSによっては監視できない項目もある。
  しかし、実用上困らないだけの監視項目は網羅されている。
  監視対象のシステムを変更せずに手軽に監視が行えるというのが最大の特徴だ。

最近注目を集めているのは、実はTelnetやSSHなどを使用したエージェントレス方式のエージェントレス監視製品なのだ。

個人的には、このTelnetやSSHなどを使用したエージェントレス方式が、真のエージェントレス監視だと思っている。
 

2つのエージェントレス監視製品

それでは、TelnetやSSHなどを使用したエージェントレス方式の監視製品には何があるのかという話になるが、2つ挙げるとすれば、やはりパトロールクラリスとSiteScopeだろう。
 
パトロールクラリスは、株式会社コムスクエアが開発した純国産のエージェントレス監視製品だ。
直感的な監視設定画面とわかりやすいアラート画面やレポート画面を持つ。
面白い機能としては、ソフトウェア・パトライトとも言うべき機能が付いている。
一方、SiteScopeは、元はFreshwater Software社によって開発されたが、後にMercury Interactive社に買収され、現在はHPによって買収され、販売されている。
監視設定画面は、海外製品にありがちな、日本人には直感的とは言いがたいものだ。
Business Availability Centerと組み合わせることで、業務やアプリケーションなどのビジネス視点からの監視やアラート表示が可能になる。
また、昔からある製品なのでエージェントレス監視製品としては有名だ。
 
ライセンス体系では、両方とも1監視項目=1ポイントの課金体系となっているが、以下の点に違いがある。
パトロールクラリスは、年間ライセンス方式を採っている。
このため、初期費用を低く抑えることが出来る上に、他の監視製品と比較しても、かなり安い。
また、利用するポイント数が多くなればなるほど、1ポイントあたりの価格がさらに安くなっていく価格体系だ。
SiteScopeは、買取ライセンスとなっている。
このため、初期費用は高くなってしまうが、長期間使用するのであれば、トータル的に安く済む場合もある。
しかし、1回毎の購入となるため、ポイントを数回に分けて購入しても、1ポイントあたりの価格がさらに安くなるポイントメリットは受けられない。
 
保守の面においても、パトロールクラリスは、純国産製品なので対応が早い。
SiteScopeは、やはり海外への問い合わせを理由に回答や対応が遅い面がある。
 
以上の理由から、特に理由のない限りパトロールクラリスをお薦めしたい。
 
 

 


Categories: Nagios ,コラム


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