2010 11月 23

以前からNagiosのインターフェースがPHPで書き換えられるという話が出ていたが、ついに実現したらしい。
それがNagios XI だ。
今回は、このNagios XI のデモサイトを覗いてみた。
デザインも一新し、ホワイトとブルーの明るいイメージになっている。
ただし、これは有料版だ。
今までOSSを貫いてきたNagiosだけに非常に残念でならない。
60日間限定のトライアル版がダウンロードできるようになっている。
 



 

Nagios XI へのログイン

Nagios XI のサイトへ行くと、ブルーの四角で囲まれた『Online Demo』というリンクがあるので、ここをクリックする。
 
図1:Nagios XI デモサイトTOP画面(1)
図1:Nagios XI デモサイトTOP画面(1)

 
続いて、ログインアカウントの種別についての説明が書いてある。
Nagios XI では、ロールの概念が導入されたのだろうか、4種類のアカウントが使えるらしい。
 

1.Administrator (nagiosadmin)
2.Read-Only User (readonly)
3.Advanced User (advanced)
4.Normal User (jdoe)

 
その下のほうに、ブルーの四角で囲まれた『Login To Nagios XI』というリンクがあるので、ここをクリックする。
 
図2:Nagios XI デモサイトTOP画面(2)
図2:Nagios XI デモサイトTOP画面(2)

 
表示されたログイン画面から、ログインする。
今回は、nagiosadminでログインしてみた。
 
図3:Nagios XI デモサイトLogin画面
図3:Nagios XI デモサイトLogin画面

 

Nagios XI の表示画面

トップ画面は、Nagiosに比べてちょっとごちゃごちゃしてるというのが第一印象だ。
テキストが多いせいだろうか?
 
図4:Nagios XI デモサイトhome画面
図4:Nagios XI デモサイトhome画面

 
その他の監視画面は、ほぼNagiosと同じだ。
 
図5:Nagios XI デモサイトTactical Overview画面
図5:Nagios XI デモサイトTactical Overview画面

 
図6:Nagios XI デモサイトHost Detail画面
図6:Nagios XI デモサイトHost Detail画面

 
図7:Nagios XI デモサイトStatus Map画面
図7:Nagios XI デモサイトStatus Map画面

 
好きな画面を My Views として、登録できる。
また、My Views として登録した画面は定期的にローテーションして表示される。
NagVisのRotation Poolsみたいなものだ。
 

Nagios XI のダッシュボード機能

ダッシュボード機能もアドオンとして存在するが、Nagios XI ではデフォルトで含まれているようだ。
Dashlet という部品を好きにレイアウトできる。
今回は『Monitoring Engine Event Queue』と『Monitoring Engine Stats』という2つのDashlet を横に並べてみた。
背景色なども好きに変更できる。
今回は背景色をブルーにしてみた。
画面のタイトルをつけられるので、今回は『JラボDashboard』というタイトルをつけてみた。
ふんだんにAjaxが使用されている。
この機能はかなり快適だ。
 
図8:Nagios XI デモサイトMy Dashboards画面
図8:Nagios XI デモサイトMy Dashboards画面

 

Nagios XI の監視設定画面

大きな違いといえば、監視設定画面がついたことだろう。
Nagiosといえば、テキストファイルで設定を行うという最近の監視ツールでは考えられない不便さを抱えていた。
もちろん、その不便さを解決するためのアドオンソフトがあるわけだが、他の監視ツールでは1回のインストールでそれらの機能が全部使えるようになっている。
Nagios XI では、この部分が改善されている。
1つは、the Monitoring Wizardだ。
簡単に監視設定が行える機能だ。
ほぼ選択式と最低限の入力だけで監視設定ができる。
 
図9:Nagios XI デモサイトMonitoring Wizard画面
図9:Nagios XI デモサイトMonitoring Wizard画面

 
Solarisサーバの監視設定も可能だ。
IPアドレスを入力し、その後簡単な選択でディスク・CPU・メモリ・ファイル・Pingなど、一通りの監視設定が完了する。
監視対象に監視エージェントがインストールされているのが前提で、NRPEでの監視となるようだ。
 
図10:Nagios XI デモサイトSolarisサービス監視画面
図10:Nagios XI デモサイトSolarisサービス監視画面

 
もう1つは、Nagios Core Configuration Managerだ。
Nagios Core Configuration Managerの使用には、再度ログインを求められる。
これは、NagiosQL 3.0.3をベースにしているらしい。
残念ながら、こちらはログインできなかった。
こちらは60日間限定のトライアル版で確認しよう。
JラボでもNagiosの監視設定にはNagiosQLを2.x系の頃から使用している。
Nagiosの監視設定ツールはいろいろあるが、Nagios XI でもNagiosQLを選択したということが、自分の選択は間違っていなかったという自信につながった。
 
図11:Nagios XI デモサイトNagios Core Config Manager画面
図11:Nagios XI デモサイトNagios Core Config Manager画面

 
簡単設定ツールを備えた監視ツールは多いが、簡単設定を可能にするということは、ある意味で監視設定の自由度をなくすということだ。
CPU使用率やメモリ使用率などのお決まりの監視ならまだしも、その他の監視は自由度があったほうがいいものもある。
そのため、Nagios XI では、簡単設定機能とNagiosQLベースのツールの両方を備えていると思われる。
個人的には、NagiosQLにテンプレートを導入し、なるべく簡単設定ができるようにしているが、お客様の中には超簡単設定を望む声もあるのは事実だ。
 

Nagios XI のレポート機能

こちらもNagiosのレポート機能を備えている。
ほぼそのままだ。
 
図12:Nagios XI デモサイトReport画面
図12:Nagios XI デモサイトReport画面

 

Nagios XI のグラフ機能

見た感じではPNP4Nagiosだ。
4 Hour View、24 Hour View、Week View、Month View、Year View と、こちらもPNP4Nagiosと同じだ。
 
図13:Nagios XI デモサイトPerformance Graph画面
図13:Nagios XI デモサイトPerformance Graph画面

 

Nagios XI のマップ機能

NagiosのステータスマップのほかにGoogleマップでの表示がついている。
海外の監視製品は、こういう地図でのマップ表示が多い気がする。
しかし、これもなかなか面白い。
 
図14:Nagios XI デモサイトGoogle Map画面
図14:Nagios XI デモサイトGoogle Map画面

 
Nagios XI のデフォルトインストールではNagVisは含まれていないが、別途Nagios XI 用にカスタマイズされたものを取り込めるようになっているようだ。
 

Nagios XI 用のアドオン

このデモサイトでは、他にNagVisとBusiness Process Addonsのデモもあるが、このブログを書いている現時点では、いずれにもログインできないようになっている。
デモサイトにはよくあることだが、まともに使える状態を保って欲しいものだ。
NagVisはこのブログでも紹介したし、有名なので今さら説明は不要だろう。
Business Process Addons は、いわゆる業務単位の監視を可能にするものだ。
普通の監視システムは、ホストのUP/DOWN、CPU使用率などのリソース監視、HTTPのレスポンスなどのサービス監視をピンポイントに行い、それぞれの閾値によってアラートを出すようになっている。
しかし、実際のシステムは複数のサーバやサービスによって、耐障害性を高めている場合が多く、1台のサーバのCPU使用率が100%になったからといって、実際の業務利用に影響があるとは限らない。
特にエンドユーザからすれば、サーバ1台の障害よりも、そのシステムを使った業務に影響があるのかどうかが一番知りたいことである。
業務に影響があった場合だけ、アラートをあげて欲しいという要求は少なくない。
Business Process Addons では、Nagiosの複数の監視結果を組み合わせて、新たなアラート検知を可能にする。
この機能を使用して、業務に影響があった場合だけ、アラートをあげることが可能だ。
また、シミュレーション機能もあるため、どのサーバの、どのサービスを停止させたら業務に影響があるかということが確認できる。
オリジナルは、Nagios Business Process AddOns というもので、Jラボでも使用している。
なかなかの優れものだ。
 

まとめ

Nagiosから派生したプロジェクトやNagiosベースの監視製品が多く出回っている中、Nagios自身も進化していかないとZABBIXのような新たなツールに取って代わられてしまうだろう。
Nagios XI には、Ajaxがふんだんに使われ、使い勝手はよくなっている。
Ground Work Monitor もNagiosを中心にいろいろなツールを組み合わせて使っているが、Nagios XI はNagiosアドオンのみを組み合わせているといった感じだ。
Ground Work Monitor も最近では、NagVisを取り込んだりしている。
このまま行くとGround Work Monitor と Nagios XI は、同じようなツールのチョイスになっていくのではないかという気がする。
 
 

 


Categories: Nagios XI ,コラム


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