Nagios Business Process AddOns とは、Nagiosの監視結果を組み合わせて業務監視を可能にし、そのシミュレーションを行う機能を提供するアドオンだ。
実際にNagios Business Process AddOns で作成したビジネスプロセス定義で業務影響があった場合に障害通知を出したいと思ったら、ビジネスプロセス定義の条件でNagiosに監視させなければならないが、Nagiosではそのような条件で監視することはできない。
しかし、Nagios Business Process AddOns と組み合わせることで、それが可能になる。
Nagios Business Process AddOns のドキュメントでは、Nagiosの監視設定ファイルを作成する方法でNagios と連携させる方法を提示しているが、JラボではNagiosQLを導入しているのでNagiosQLを使用してNagios と連携させる方法を紹介する。
 



 

監視設定の概念について

前回のブログでは、Nagios Business Process View を使うことで、分散されたシステムをリモートからまるで1つのシステムであるかのように監視・管理することもできるだろうと書いた。
今流行のサーバ統合で言うところの『論理統合』の概念だ。
今回のNagiosとの連携でも、この概念に基づいてNagiosの監視設定を行う。
つまり、仮想ホストを登録し、この仮想ホストのサービス監視としてNagios Business Process AddOns で設定したビジネスプロセス定義の監視を登録する。
この際問題となるのは、Nagios Business Process AddOns で設定したビジネスプロセス定義の条件で監視を行う監視コマンドがNagiosにはないということだが、これもNagios Business Process AddOns が提供してくれている。
それが、/usr/local/nagiosbp/libexec/check_bp_status.pl だ。
これをNagiosの監視コマンドとして登録する。
また、仮想ホストのホスト監視コマンドとしては、仮想ホストが実在しないものなので常にOKを返す監視コマンドを登録する。
この監視コマンドはNagiosに用意されている。
/usr/local/nagios/libexec/check_dummy だ。
最初にこの監視コマンドを知ったときは、いったい何に使用するのかと思ったが、この使い方を知って納得した。
 

監視コマンドの登録

以下の2つの監視コマンドの登録を行う。
/usr/local/nagiosbp/libexec/check_bp_status.pl
/usr/local/nagios/libexec/check_dummy
 
/usr/local/nagiosbp/libexec/check_bp_status.plは、以下のように登録する。
 
 /usr/local/nagiosbp/libexec/check_bp_status.pl -b $ARG1$ -f $ARG2$
 
$ARG1$ は、ビジネスプロセス定義名。
$ARG2$ は、Nagios Business Process AddOns の設定ファイル名。(/usr/local/nagiosbp/etc/nagios-bp.conf)
 
図1:check_bp_status.pl の登録
図1:check_bp_status.pl の登録

 
/usr/local/nagios/libexec/check_dummy は、常にOKを返すようにしたいので、下図のように登録する。
 
図2:check_dummy の登録
図2:check_dummy の登録

 

仮想ホストの登録

仮想ホストを以下のように登録する。
 

ホスト名 :business-processes
エイリアス :Business Processe
IPアドレス :0.0.0.0
チェックコマンド :return_true
テンプレート :generic-host

 
図3:仮想ホストの登録(1)
図3:仮想ホストの登録(1)

 
最大チェック回数とチェック間隔に適当なものを設定する。
 
図4:仮想ホストの登録(2)
図4:仮想ホストの登録(2)

 
仮想ホストで常にステータスがOKとなるため障害通知は不要なのだが、連絡先グループには実在するグループを設定し、通知間隔にnoneを設定することで通知しないようにする。
 
図5:仮想ホストの登録(3)
図5:仮想ホストの登録(3)

 

ビジネスプロセス定義監視の登録

あとは、普通のサービス監視の登録のようにビジネスプロセス定義の監視を登録することができる。
ポイントは、監視コマンドに渡す引数に監視したいビジネスプロセス定義名とNagios Business Process AddOns の設定ファイル名(/usr/local/nagiosbp/etc/nagios-bp.conf)を設定することだ。
下図では、Nagios Business Process AddOns の設定ファイル名が全部見えていないが、きちんとフルパスで記述する。
その他の設定は、普通のサービス監視と同じように設定すればいい。
 
図6:ビジネスプロセス定義監視の登録
図6:ビジネスプロセス定義監視の登録

 
最終的にNagiosでは以下のように表示される。
 
図7:Nagiosでのサービス監視表示
図7:Nagiosでのサービス監視表示

 

 


Categories: Nagios ,Nagios Business Process AddOns ,NagiosQL


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